俺様上司に、跪いて愛を乞え

3

縛り上げられた手首がズキズキと痛んできて、

「…これ、外してください…痛い……」

言うと、


「…泣いて懇願すれば、外してやってもいい…」


と、唇の片端を引き上げた。

「そんな…言い方…って……」

目尻から涙が滲んで、じわりとつたい落ちる。


「なぁ、まゆ…そんな目で、俺を見るな…よけいにサディスティックな気になると…言っただろう?」


言いながら、縛っているネクタイに手をかけると、

「痛めつけるような真似は、しないと言ったが……」

その先端をつかみ上げ、一瞬ギリッと強く引き絞られた。

「うんっ…痛っ…」


「…おまえを見ていると……」


縛っていたのを解いて、


「……俺のたがが外れる……」


言って、鬱血の痕が残る手首に、いたわるように唇で触れた。
 
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