腹黒エリートが甘くてズルいんです
二次会の会場は、予想通りと言うか、想像以上と言うか、新郎の行きつけのような寂れたスナックみたいなところだった。

あの式場からの二次会で、急に雑誌で特集を組まれるようなオシャンティなカフェバーとかに連れていかれたらそれこそ様々な概念が覆るけど、勿論そんなことはなく。


ただ、サユミの言葉に偽りはなく、確かに披露宴よりは大分年齢層が下がったように感じられた。
絶対お前親族だろう、と思っていたおっさんが実は新郎の友達で、二次会で陽気にビールをあおっていたのには驚いたけれど。


ただ、恐ろしいことに。パッと見渡して、若そうな松永物産の社員と思われる男子は、軒並み若い女子と語らっていた。


サユミのどういうご関係かは分からないけれど、25歳のおとなしめな信用金庫の女子、もてるもてる。
それに、新郎は人望が厚いのか、松永物産の若いOLらしき子達も、沢山やって来て、きゃっきゃと楽しげに過ごしている。

新郎にも嬉しそうにお祝いの言葉を述べているので、サユミの方とは訳が違い、それなりにこの結婚を祝福してくれる人が回りに沢山いるらしい。
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