腹黒エリートが甘くてズルいんです
そして。34歳、二次会でも途方にくれて。

話したいような同年代の男子は、同じ会社の同僚と気のおけない感じで語らう派か、初対面の若い女子といい感じに爽やかに飲んでいて。


あたしの回りには『若い子に声をかけるのはちょっと……でも俺だってトークが出来ない訳じゃねぇよ』的な、自信と不安が交互に押し寄せているような不安定なオジサマが集まるっていう。

ゴルフ、やってません。
麻雀、ルールが分かりません。
温泉、好きだけどあなたと行く気はありません。


色々な思いの渦巻く中、電車が無くなる、を理由に早めに抜け出したあたし。

重たいのは、引き出物なのかあたしの気持ちなのか……みたいな陳腐なポエムを脳内でしたためつつ、無事アパートに戻ってきて、完全にやけ酒と思われる勢いでビールを飲み、梅酒を飲み、芋焼酎に手を出し……ワインは開けた記憶が無いのだけれど、しっかりとコルクが抜かれてテーブルに放置されている。

おつまみに、とでも思ったのかスモークチーズやらタコスチップやらも散乱している。
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