腹黒エリートが甘くてズルいんです
悔しいくらいに、心が満たされるのがわかる。


コケにされ、それをご丁寧に説明され、それから音信不通になって1ヶ月だというのに。


一目見たら……心臓がきゅうううううとなった。
ここにいるんだ、と思ったらそれだけで幸せな気持ちになった。
なんだこれ。


あたし、ここまで自分がバカだと思わなかったよ。


見た目で言ったら、目の前の菅生さんだって、かなりのイケメン。しかも、気も利くし、優しいし。

なのに、何だか楽しくないから、どうにか笑ってなんとかしていたのに。


酒井くんの姿を見て、それまでの緊張が吹っ飛ぶような気持ち。


でも、それは当然だよね。
20年前から知っている人と、さっき初めて会った人。
同じ心持ちで接するなんて無理に決まってる。


そんなことを悶々と考えているうちに、飲み物も揃い、自己紹介をする流れになってしまう。


ていうか、その間、いくらだって話しかけるタイミングはあったのだろうけど、酒井くんと喋ることはおろか、顔を直視することもできない、駄目なあたし。
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