猫の湯~きみと離れていなければ~

「鈴、 …おーい鈴ってば」

「え? きゃっ! 」


顔を上げると陽向の顔が目の前にある。
ドキッと驚いて思わず体を引いて距離をあけてしまった。


びっくりした。

そうよ、
このドキドキするはびっくりしただけよ。


「きゃっじゃねーし。ずっとシェイク握ったままボーッとしてるからさぁ」


そう言われれば手がとても冷たくなっているし、陽向のハンバーガーはすでに半分ぐらい無くなっていた。


「莉子となんかあった? …なんか、言われたとか? 」


いきなり核心をつかれてしまった。



うん、そうだよ。

怖い顔をした莉子に陽向に近づかないでって言われたの。



なんて言えるわけがない。



「別に何にもないよ。ちょっと考えごとしてただけ」


そう言って笑ってごまかすとわたしはストローに口をつけた。

溶けはじめているシェイクはほどよいやわらかさになっていて飲みやすい。

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