無自覚天然タラシボーイ高宮さん
 



館内を回ってみると
高宮さんらしき後ろ姿。


「ちょっと、」

シャツの首元を掴んでみた。


「うわ!びっくりしたぁ。どしたの、片瀬さん。」



「ぷっ、相変わらずビビりですねー。」


「片瀬さんが毎回ビビらすんでしょ。」


「してませんよ。勝手にビックリしてるだけでしょう。」


「なんか否定出来ないから辛い。」



私の知っている高宮さんは超絶ビビり。
虫も幽霊もいきなり声を掛けたりとかも
ビクってなる。笑える。



「…前田さんが高宮さん探してましたよ。」



「?なんで?」


「前にクッキー食べたいとか言ってません?」


「…あー。言ったかも。その時気分だったんだよねぇ。」


はい、出たよ。このパターン。



「高宮さんのその時に思ってること、何でも言っちゃうとこ直した方がいいですよ。



「えー、何でー!」



女の子は大体勘違いするんだっての。
鈍いな。



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