派遣社員の秘め事  ~秘めるつもりはないんですが~
「実は諸事情により、今すぐ俺の子供がいるんだ。
 この世に俺の力を持ってしても、一人ではどうにも出来ないことがあるとはな」
と呟いているので、貴方、何様ですか、と思う。

「で、まあ。
 誰か俺の子を産んでくれる女を探していたら、ちょうどお前が居たんだ。

 お前は細いわりに尻がデカイ。
 いい骨盤をしている」
と渚は言う。

 ……誉められているのだろうか?

「いい子が産めそうだ」
と、どんな決めつけだ、というようなことを言ってくる。

「顔も身体も悪くない。
 目に知性があるし。

 俺の子供にこの遺伝子が欲しいと思った」

「いやあの、それはあまり、女性を口説くのに適切な台詞とは思えませんが」

 この男、こんなルックスだが、意外とモテないんじゃ……と思わせる話っぷりだ。

 だが、まあ、喋らなければいいわけだし……。

「あの、街に出て、どなたかに声をかけられたらどうですか?
 貴方なら、誰でもついてくると思いますよ」
< 10 / 383 >

この作品をシェア

pagetop