派遣社員の秘め事  ~秘めるつもりはないんですが~
「いや、お前がいい」
と間近に見つめられ、さすがに、どきりとしたが。

「いい遺伝子だ」
と頷く渚に、

「……アイス溶けるんで帰りますね」

 はい、とお釣りを返し、社食を出た。

「おい、食べてかないのか」
と後ろから声がしていたが。

「結構です。
 アイス一個で妊娠させられたら困りますから。

 今度お金返しまーす」
と言いながら、足早に逃げ去った。



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