派遣社員の秘め事  ~秘めるつもりはないんですが~
「まあ、いわゆる一般的なイケメンで、いい学校出てて、ちょっと間抜けで可愛いところもあるんですが。

 少々陰険で、性根が悪いので、私の好みではないです」

「……よくわかってるんだな、その男のこと」

 はは、と蓮は笑い、
「従兄弟なんですが、兄妹のように育ってきたので」

 ていうかですね、と渚に向き直る。

「そうなんですよ、ずっと、兄だと思ってたんですよ。

 ちょっと手のかかる、しょうもない兄のように思っていたのに、いきなり、それと結婚しろとか言われても。

 なのに、向こうは別にそれでいいみたいなんですよ。

 なんで、男の人ってのは、そこで、すぐに切り替えられるんですかね?

 財産目当てですか?」
とまるで、和博本人に向かって言ってるように訊いてしまう。

「いや、お前……、それは単に、お前にとって、そいつが兄のようだったってだけで、向こうは最初からそう思ってなかったってことだろ?

 その男が、自分からお前と結婚したいと進言したんじゃないのか?」
< 267 / 383 >

この作品をシェア

pagetop