派遣社員の秘め事  ~秘めるつもりはないんですが~
 ああ、すみません、と言いながら、まだ見ていた。

 ちょっと違うことが気になったからだ。

 脇田さん、男なのに、色が白くて、肌がすべすべだなあ。

 お手入れとか特にしそうもないのに、としょうもないことが気になっていたのだが、渚がイラついたように言う。

「いいから、早く仕事に戻れよ、お前ら」

 社長様がそうおっしゃるので、はーい、と社長室を出ようとすると、
「蓮、待て」
と言われた。

 一瞬、脇田も振り返ったが、なにも言わずに出て行く。

 扉が閉まるのを待って、側に来た渚が言った。

「蓮、こっちを見ろ」

 は? と言いながらも、見上げると、
「俺を見てろ。
 脇田より長く」
と言い出す。

「……なんなんですか」
と言ったが、まだ、イラついているように、いいから、と言う。

 ちょっと笑ってしまった。

「笑わずに見上げてろ」

 はいはい、と見る。

 そうだ、この隙に、と思って、一応、訊いてみた。

「渚さん、脇田さんに、なにを調べさせようとしてたんです?」
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