派遣社員の秘め事 ~秘めるつもりはないんですが~
マンションの外で待っていてもらうのもなんだか変なので、結局、脇田に部屋までついてきてもらうことにした。
鍵を開けているとき、ちょうど隣の奥さんと出会ったので、にこやかに挨拶をする。
先にその奥さんは入っていってしまったが、脇田が気まずそうに、
「あのー、外に立ってる方が誤解を呼びそうなんで、入ってもいい?」
と言ってきた。
「いいですよ。
どうぞ。
すぐ持ってきます。
あ、お茶でもどうですか?」
とドアを開けながら、蓮は言った。
「いいよ。
秋津さん、晩ご飯食べるんでしょ?」
「そうだ。
脇田さん、ご飯食べられました?」
どうぞ、と中に通しながら言うと、
「まだだけど」
と脇田は言う。
「じゃあ、えーと。
……コンビニ弁当半分こと昨日の残りでどうですか。
って、駄目ですね。
お礼になってないし。
なにか奢りましょうか?
食べに行きますか?」
「いや、ほんとにいいよ」
と言う脇田にとりあえず、お茶だけ出すことにした。