愛し、愛されたのは優しい死神でした。

「てか泣き過ぎなんだよ、お前はっ!」

「だってさぁ…!!ルキ姉、めちゃめちゃ優しいじゃん!!兄貴、あの顔見た?!…俺兄貴にあんな顔されたらっ…抱き付いちゃうよ!」

「気持ち悪い。…やめろ。」

結局…この恋は虚しく終わる。一方的な片想いなんだ…。

二人のじゃれ合いを笑って見てるけど、心の中の私は泣いてる。ちゃんと笑えてるかな?苦笑いになってないかな?
さり気なく律さんの横顔を見詰めた。

―やっぱり格好良いなぁ…―。

ぼうっと惚けていたら、何やらどこかで電子音が聴こえてくる。どうやら律さんの小型の通信機が鳴っているみたい。
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