愛し、愛されたのは優しい死神でした。

―あの世の…住人―。

そう言って向けられた笑顔はいつもと変わらず優しい。だけど、なぜだろう?
なんか痛い…胸を針でチクチク刺される様な小さな痛み…。

私はこの世の住人。彼はあの世の住人。存在してる世界の違い。解っていたけど、改めて考えると…やっぱり辛いかもしれない…。

初めて恋が出来て嬉しくて、どきどきしてたのに一気に弱気になっちゃうよ。

彼は私が生涯を終えるまで一緒に居ると言った。だけどその後は…?私を導いた後は彼は私の前から居なくなって…離ればなれになる―。

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