愛し、愛されたのは優しい死神でした。
願い

☆律side☆

ついに……願ってもないこの日が来てしまった。

ベッドには胸を上下させて荒々しく呼吸するルナの体。珠のような汗をかいて息苦しそうに胸を押さえて何とか呼吸を繰り返している。

「…兄貴……確か今日だったよね…?ルナの…」

「…ぁあ」

「……こうして見てると…やっぱり辛いね…」

岳の言葉にあまり反応出来ずに、ただ目の前のルナを見下ろしていた。

前々からルナの体の異変は感じていた。
…食欲はあったみたいだが顔色が悪くて食事を終えると早々と自室に籠って出てこなかったりしてたから。
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