愛し、愛されたのは優しい死神でした。

それでも、なかなか事態を飲み込めずに居ると少し苛立った様な口調になり更に手をこちらへ伸ばしてきた。

「消えたいんだろ?だったら早く俺の手を握れ。…ほらどーすんだよ?!」

『…私…は…』

この手を取れば私は…楽になれる―?あの人達は笑顔になってくれるだろうか…?

手を差し伸べられて、少しだけ嬉しかった。…やっと辛い事から解放される気がしたから。
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