愛し、愛されたのは優しい死神でした。

困った様な残念そうな顔で呟いて、1つ溜め息を漏らした。

『……えっ、私じゃない…?』

「ええ。それに貴方にはまだやるべき事がおありのようですね…」

冷静な口調の男に向かって少々取り乱して私は口を開いた。

『やるべき事?それは何?!
私は…私は無価値な存在…私が居ると家族が笑わない!だから私はっ…わた…し…はっ…!!』

自分で言っておきながらこの胸がえぐられている様に痛むのは何故だろう?
また鼻がツーンと痛みだし、涙が次から次へと流れ出てくる。

「…消えたいんだろ?」
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