グリーン・デイ
「私が一緒に居たいからよ。あなたが好き。あなたと一緒に居たい。人生の一分でも一秒でも長くね。でも、それはきっと無理なのよ。一緒に通学したとしても講義は違う。この時点で私と一緒に長くいるのはあなたじゃなくて、このケータイってことになるわ。ケータイに嫉妬するわけじゃないけれど、私は可能な限りあなたと一緒に居たいのよ。それだけの理由じゃダメ?」
僕はアヤカの目を見た。濁りのない澄んだ目をしていて、長く見ていると吸い込まれそうな気がした。とは言っても、これ以上どこへ吸い込まれるというのか。
「別にかまわない。」僕は続けた。
「ただ、僕はキミを愛することができない。この先もできないかもしれない。もしかしたら、明日にでも他の女の子と素敵な出会いをして、恋をするかもしれない。付き合うことになるかもしれない。でもそれは僕が悪いんでも、キミが悪いんでもない。しょうがないことなんだ。しょうがないで片付けてしまうほど、恋は惨いものにも成り代わってしまう。それでもキミは僕と一緒に居たいのか? 好きで居続けるのか?」
「ええ。」アヤカは間髪入れずに答えた。
「自信あるもの。一目で私を惚れさせる人間は、この先あなた以外現れないってね。たとえ世界をゆっくり時間をかけて3周したとしてもね。その道中、あなたよりもかっこいい人に道を聞かれるかもしれないし、あなたよりお金持ちの人にディナーをご馳走になるかもしれない。あなたよりも性格の良い人に親切にされるかもしれない。それでも、回り回って私はあなたの元へ帰ってくるのだと思うの。具体的根拠はないけれど、恋ってそういうものでもあるでしょ?」
そう言って、アヤカはここで初めてオレンジジュースに手を伸ばした。
「スクリュードライバーってお酒、初めて飲んだけど、意外と飲みやすいのね。」