心に届く歌
「わたしこそごめんなさい。
シエルが隠していたもの勝手に見ちゃって」
「いえ……大丈夫です」
シエルは頭に手をかけると、スポンッと紺色の紐を引っ張り出す。
カシャン、と真珠同士が揺れた。
「どうぞ」
「……見て良いの?」
「はい」
わたしは受け取り、少し重たく感じるネックレスを見た。
「これ……どこで?」
「施設長が亡くなる前、僕が施設に行った時身につけていたものだと渡されたんです。
それが真珠かもしれないとわかったのはつい最近ですけど、
子ども心にとても高価なものだと思って。
最初は首から下げていたんですけど…ネックレスですから。
でも、両親に取られるんじゃないかって思って、隠せる場所を見つけて、前髪に隠すようになったんです。
バレなかったのが、本当奇跡に近いですよね」
シエルは前髪を少し横に流す。
そして遮断されない目で、夜空を見上げた。