地味男の豹変〜隠された甘いマスク〜



車に乗ってすぐに陽は言った。


「気が変わった」


「気が変わった?」


「うん、今から玲美の家に戻る途中で買い物して、俺が玲美に手料理作ってやるよ。旨いって言わせて玲美を笑顔にしてやるから」


手料理って陽って料理とかするの?
何だか張り切ってるし何も言わなかった。


そして帰る途中で私の家の近所のスーパーに寄り、食材を買って私の家に帰った。


家の中に入り、買った食材を持ってそのままキッチンに向う途中に陽は振り返ると私を見て言った。


「出来上がるまでソファーに座ってテレビでも見て待ってて」


「いいけど……大丈夫?」


「疑ってんの?料理くらい俺だって出来るし、まぁ食べたらわかるから大人しく待ってろ」


そう言って陽はキッチンに向った。
私は陽に言われた通りソファーに座りテレビを付けた。


テレビの画面を眺めていたけど、声すらも頭に入らず考えるのは山岡主任の事ばかりだった。


あれから二人で映画でも見たのかな?とか、やっぱり私はただの体だけの都合のいい女だったのかな?とか色々な事が頭を過る。


暫くそんな状態が続き、キッチンから何だかいい匂いがしてきたのでボーッとしていた私は現実に呼び戻された。


本当に料理出来るんだ……。


会社では地味男で真面目な陽は、眼鏡を外すと誰が見ても見惚れるくらいのイケメンで、意地悪で生意気な男に変わる。
たまに見せる無邪気な笑顔は子供みたいで年下だなって思うけど、それ以外は悔しいけど私よりも大人っぽい。


本性を知った時は凄く嫌な奴だって思ったけど、今はそんなに嫌とは思わない。


陽みたいにイケメンな人が私を好きだと言うのが今でも信じられない。


私の何がいいんだろ?


そんな事を思っていると陽がキッチンから料理を運んできた。


「出来たから一緒に食べようぜ」


「うん」


私はソファーから立ち上がり、食卓テーブルに座った。




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