地味男の豹変〜隠された甘いマスク〜




「玲美……」


「中へどうぞ……」


私はそれだけ言って山岡主任を家の中へと入れた。


リビングに二人で向かいソファーに座った。


「玲美ってゲームとかするのか?」


「従兄の子供がたまに遊びにくるから一緒にゲームしたりするの。言ってなかったっけ?それより話って……何?」


「あぁ……さっきの映画館の事だけど、あの時に言ったように山梨さんとはたまたま会っただけで一緒に映画見ようと誘われたんだ。だから本当に俺と山梨さんは何にもないんだよ」


何にもないなんてよく言えるよね、夜のオフィスで二人であんなことしといて……。


「山梨さんは置いといて、日曜日なのに映画館に一人で行く?奥さんと娘さんが居るならまだわかるけど……」


「嫁は今日から実家に里帰りしていて、送って行った後に映画でも見ようと思ってショッピングモールに行ったらバッタリ山梨さんに会ったんだ。だから本当にたまたま偶然だったし玲美にやましいことなんて一つもないから」


山梨さんとあんな事をしといて平気で私に嘘をついて言い訳している山岡主任を見て改て思った。


私はこの三年間、山岡主任の何を見てたんだろうって。


疑うこともなくただ、山岡主任の事が好きで信じていた。


涙どころか笑いが込み上げてきた。


「フフフッ……アハハハハッ」


「玲美?」


「もう芝居はいいから。全部嘘だって知ってるし、山梨さんと土曜日の夜に会社のオフィスで二人であんな事をしといて言い訳とか笑いしか出てこない」


山岡主任は驚いたのか目を見開いた。
まさか私に知られてるなんて知らずに言い訳してるんだもんね。





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