地味男の豹変〜隠された甘いマスク〜
「玲美……?」
「……つき」
「えっ?」
「陽だって山岡主任と同じじゃない!嘘つき」
「はっ?意味がわからないんだけど何だよ同じって?嘘なんか俺はついてないぞ?」
「じゃあなんで、日曜日の事を何も言わないの?やましいからじゃないの?」
「日曜日?」
「とぼけないで、日曜日に水族館で女性と子供と一緒だったじゃない!啓太くんだっけ?手を繋いで幸せそうでなにより。結婚してるのか彼女なのかわからないけど、私に好きだとか、また帰りに家に行くからとか、週末はデートしようとか、全部嘘だったんでしょ!」
そう言って私は立ち上がりオフィスを出ようとしたら陽に腕を掴まれた。
「ちょ、待てよ!俺の話を聞けよ!」
「言い訳なんて聞きたくない、触らないでっ」
そう言って私は陽の手を振り離してオフィスから出て行った。
もう誰も信じない。
男なんてもう信じないんだから。
私は泣きながら駐車場まで走り、車に乗ると急いで家まで帰った。
家に着くとそのままシャワーを浴びて、涙を洗い流す。
私の陽への恋も終った。