ブラッド
 丸一日捜査を行うと、ヘトヘトに疲れる。


 伊里町が、


「佐山、捜査中はしっかりな。意識集中しろよ」


 と言ってくる。


 基本的に応じていた。


 だが、心の中は不安だらけだ。


 何せ、マル対が暴力団なのだから……。


 従流会の人間は恐ろしい。


 何をしてくるか、分からない。


 俺にも相方にも、武道の心得はあった。


 それに拳銃を使うことも手段としてある。


 もちろん、滅多に使わないのだが……。


 祭日で街は混んでいた。
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