ブラッド
第37章
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 山岡や飯尾と組み、捜査を続ける。


 G県やJ県を絶えず移動しながら……。


 時が流れ、その週の木曜も朝から捜査を開始した。


 俺と伊里町はG県警の所轄にある捜査本部から、相方運転のタクシーに乗り込み、途中で山岡たちと合流して、二台の面パトで二つの県を走り回る。


 暇はなかった。


 捜査を続行する。


 篠原も羽野も下古毛も、蒸発したかのようにいない。


 刑事事件の容疑者も帰巣本能がある気がする。


 俺にはそう思えていた。


 タクシーの中で伊里町が、


「佐山、スマホで地図確認しろ」


 と言ってきたので、
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