ブラッド
 裏でいろいろやっていると思う。


 汚い輩だ。


 もちろん、デカたちは嗅ぎ付ける。


 警官の腐臭を。


 本来なら清潔でいなければならないのに、あのざまだからだ。


 伊里町が、


「また何か考えてるのか?」


 と言ってきたので、


「ええ、まあ」


 と返す。


「まあ、俺もお前も人間だもんな。考えることぐらいあるよ」


 相方は珍しく笑顔を見せて、そう言い、ハンドルを握りしめた。


 そして心の内を見透かしたように、

< 96 / 349 >

この作品をシェア

pagetop