ブラッド
「警視庁組対部長の楠村が何か握ってる。おそらく下古毛と取引したんだろう。……いずれ本庁に話通すぞ」


 と言って、軽く息をつく。


 頷き、前を見据えた。


 夏の日差しは午前中も燦々と降り注ぐ。


 伊里町が午前11時前に繁華街の一角に車を停め、それから足で街を回った。


 金子雅夫・工藤隆明連続殺人事件は闇に包まれている。


 特に進展なく。


 単に俺たちに負荷が掛かるだけで……。
 

  




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