☆お見舞いに来てください☆
それから2時間ぐらいして目覚めた優花はあまりの衝撃に目を見開いた。
パニックで口をパクパクしてしまう。
「しゅ、主任!?」
目を冷ましてもまだなお主任の姿が見えるのだ。
いくら目をこすっても目の前の主任は消えやしない。
むしろそれどころか、彼の姿はよりはっきりと見えてしまう。
彼の眩しすぎるお顔が私の瞳をじっと覗き込んでいる。
「お、やっと起きたか」
ついに幻聴まで…
高熱のせいでついに私の脳ミソまでやられてしまったらしい。
優花は混乱し、わしゃわしゃと髪を乱し始めた。
覚めろー覚めろー
夢なら早く覚めろ〜。いや、覚めないで…?
再び目をこすると今度はさらにドアップになった主任の顔が…
「佐野まじで大丈夫か?そんなに混乱するぐらい苦しいのか」
ピタッと主任の手が私のおでこに当たる。
「確かに熱いな、熱は何度ぐらいあるんだ?」
「さ、さんじゅう、はちどごぶ、ぐらいでしょうか?」
「それは高いな、薬は飲んだのか?」
「い、一応さっき常備してある薬を…」
「そうか、でもまさか本当に熱を出すとはなぁ、念のため来てみて正解だったよ」