あなたにspark joy
「……」

なにこれ。

なんで怒りながらクイズ形式なんだろう。

「あの申し訳ないですけど、はっきり言ってもらった方がいいような気がするんですけど
……何故なら私、熱燗飲んで酔っ払ってるんで、思考がうま」

「じゃあ言うけど」

篠宮さんは少し息を吸ってから私の耳に唇を寄せた。

「俺が君にしたキスだけど」

ビクンと身体が震えた。

……酔った頭で真剣に考える。

初対面のあの日、噴水の中で篠宮さんは私にキスをした。

私も嫌じゃなくて……あ、でも、噴水のライトアップが終わった途端、なんかそんな自分が軽い女みたいでそれが嫌で、それで……。

いや、ちょっと待てよ。

あれから再会した時、彼女と別れたっつってたよね?

でも、おかしくない?

じゃあなんで佐伯さんは私を目の敵にするのよ。

それに昨日だって、マンション近くで抱き合ってたよね?

……よく考えたら……別れてないじゃん。付き合ってるじゃん。

なのに、篠宮さんは私にキスをした。
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