無口な私の復讐劇

「では皆まず、一昨日の体育館倉庫の''事件''について知っていることがあれば何でも、話して欲しい」

すると、矢田亜美咲がソッと手を挙げた。

「あ、あの…」

「なんだい?」

「堤さんと小林さんが一昨日の朝、自殺…ともとれる事を話していたのが聞こえました」

「それはどんな話?」

「堤さんは家が貧乏で、弟がまだ幼く、母は病気に侵されていて大変だと。

小林さんは、父が凄く大きな借金を抱えていて、校則違反の風俗に勤めざるを得ないと」

警察官が手帳にメモを取る。

そんなことを言っていたなんて初めて知った。

なら殺して正解だったかな。

「それと行方不明の渡辺さんと田口さんの話ですが、援助交際をしていてその中で問題があったと田口さん本人から聞いていました」

こいつかなりの情報を持っている。

援助交際をしているのは知っていたが、そこまでとは…。

「他、無いかい?
なかったら次はアリバイの確認だから一人ずつ隣の空き教室に来て。名簿順で」

名簿なら私は最後から数えた方が早い。

本を読んで待ってよ。

と見せかけて、今日の殺人計画を詳しく立てなきゃ。

ここまで警察が動き出したら少し厳しくなる。

夜がチャンスかな…。

「もっ、優希!次でしょ~早く行きなよぉ~」

「はぁーいっ!行ってきます!!」

いつ見ても気持ち悪い。

クラスからは『次は私じゃないのかな…』『クラスの皆死んじゃうんじゃない』と怯えている人もいる。
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