つまらない男
 本を読むのが好きだったわけじゃない。むしろ、嫌いだった。ましてや、小説なんてものはほとんど読んだことすらなかった。完全なる独学から始めて、現在に至る。
昔から妄想することは嫌いではなかった。だから、想像力に関しては自信があった。
 こと、文章を書くことに関しては、中学生時代に詩を書いていたことはあり、一日に3作品ほど書き続け、最終的な作品数は約760作品にも上った。中学の文化祭で展示されたことはちょっとした自慢だ。ただ、今読み返しても、どれも恥ずかしい内容のものばかりで、今となっては黒歴史そのものだ。
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