一寸の喪女にも五分の愛嬌を
「もう少し飲めますか?」
「稲田さんはどうですか?」
「私は、飲みたいですね」
ふふっと笑った稲田さんに私は一も二もなく賛成する。
「もちろん、私もまだ飲み足りません」
お互いに顔を見合わせてから、一緒に笑い出した。
そして新しいワインが運ばれて来た時、稲田さんはふと表情を改めた。
「ねえ柴崎さん。……こんなことを勧めるのはどうかとも思ったんだけど……」
言いづらいことでも話そうとしているのか、稲田さんは歯切れの悪い言い方になる。
一度メインの魚へ視線を落としてから、意を決したように顔を上げて私を見据えた。
「柴崎さん、思い切って職場、変えてみない?」
一瞬、何を言われたのかわからなかった。
(職場を……変える?)
きっと鳩が豆鉄砲を食らった表情を晒してしまっただろう。
目を丸くしている私を見つめながら、稲田さんはすぐに説明を始めた。
「いきなり驚かせてしまってごめんさない。ただ、今の状況はあまりにも柴崎さんにとって辛い状態なんじゃないかと……私、本当に悔しくて、悔しく」
わずかに稲田さんの声が震える。
それが私の感情も震わせる。
「稲田さんはどうですか?」
「私は、飲みたいですね」
ふふっと笑った稲田さんに私は一も二もなく賛成する。
「もちろん、私もまだ飲み足りません」
お互いに顔を見合わせてから、一緒に笑い出した。
そして新しいワインが運ばれて来た時、稲田さんはふと表情を改めた。
「ねえ柴崎さん。……こんなことを勧めるのはどうかとも思ったんだけど……」
言いづらいことでも話そうとしているのか、稲田さんは歯切れの悪い言い方になる。
一度メインの魚へ視線を落としてから、意を決したように顔を上げて私を見据えた。
「柴崎さん、思い切って職場、変えてみない?」
一瞬、何を言われたのかわからなかった。
(職場を……変える?)
きっと鳩が豆鉄砲を食らった表情を晒してしまっただろう。
目を丸くしている私を見つめながら、稲田さんはすぐに説明を始めた。
「いきなり驚かせてしまってごめんさない。ただ、今の状況はあまりにも柴崎さんにとって辛い状態なんじゃないかと……私、本当に悔しくて、悔しく」
わずかに稲田さんの声が震える。
それが私の感情も震わせる。