一寸の喪女にも五分の愛嬌を
大学のサークル仲間の男子の一人が、私に電話を寄越したからだ。
『――北原さんも新しい彼女作ったし、薫、今はフリーだろ? 俺と付き合わない?』
「……?」
最初、この男は何を言い出したのだ? 頭でもやられたのか? と怪訝に思ったけれど、すぐに『親友に彼氏を譲るとか、俺にはできないなあ。さすが薫、そんなところも男らしくて俺は好きなんだよ』と笑った彼の言葉に、一瞬にしてスマホの着信履歴が蘇った。
本当は最初の履歴を見た時から気がついていたはずだ。
それをわざと見ないふり、気づかないふりをした。
まさか二人が私を裏切ることなんかないと、自分に言い聞かせて納得させていたのに、この頭が湧いたサークルの男子により、私は現実を突きつけられた。
「バカ!」
色んな意味を込めてそう罵った私は彼との通話を切り、すぐに宗一郎に電話をかけた。
その夜、宗一郎が綾乃を連れて私の部屋を訪れたのを見た瞬間に全てを察した。
いつから……二人は私に隠していたのだろうか。
おとなしくていつでも私の後ろにくっつき、どんな時でも私を頼りにしてくる綾乃が、まさか私を裏切るなんて思いもしなかった。
優しくて穏やかで、私のわがままを何でも許してくれていた宗一郎が、私に隠し事をしていたなんて信じたくなかった。
それでも現実は私にとって非情で、二人を信じていた心を粉々に砕いた。
『――北原さんも新しい彼女作ったし、薫、今はフリーだろ? 俺と付き合わない?』
「……?」
最初、この男は何を言い出したのだ? 頭でもやられたのか? と怪訝に思ったけれど、すぐに『親友に彼氏を譲るとか、俺にはできないなあ。さすが薫、そんなところも男らしくて俺は好きなんだよ』と笑った彼の言葉に、一瞬にしてスマホの着信履歴が蘇った。
本当は最初の履歴を見た時から気がついていたはずだ。
それをわざと見ないふり、気づかないふりをした。
まさか二人が私を裏切ることなんかないと、自分に言い聞かせて納得させていたのに、この頭が湧いたサークルの男子により、私は現実を突きつけられた。
「バカ!」
色んな意味を込めてそう罵った私は彼との通話を切り、すぐに宗一郎に電話をかけた。
その夜、宗一郎が綾乃を連れて私の部屋を訪れたのを見た瞬間に全てを察した。
いつから……二人は私に隠していたのだろうか。
おとなしくていつでも私の後ろにくっつき、どんな時でも私を頼りにしてくる綾乃が、まさか私を裏切るなんて思いもしなかった。
優しくて穏やかで、私のわがままを何でも許してくれていた宗一郎が、私に隠し事をしていたなんて信じたくなかった。
それでも現実は私にとって非情で、二人を信じていた心を粉々に砕いた。