一寸の喪女にも五分の愛嬌を
 けれどそれは女子の間では忌避される考えらしく、「ありえな~い」だの「なんかイヤだもん」とか「信じられない~」なんて言葉によって、どんな理路整然とした説明も破壊し尽くされるのだ。

 ――面倒くさい。

 そう理解してからは、私は外面のいい愛想ばかりの女になってしまった。

 別に誰かに理解してもらう必要などないと、割り切ってしまえば楽に過ごせる。

 それなりに友達のでき、彼氏もでき、それなりに順調に過ごしてきた。

 二年前までは。


(で、今は恋愛ゲームにはまる喪女になってしまったんだけどね)

 胸の中で苦笑して、それから私は早川さんに笑いかける。

「早川さんにそう言ってもらえたことは嬉しいです。でもこれ以上業務に支障がでるのは私としても本意ではありませんので、再度提出いたします。課長に直接渡さなかったのは私の落ち度でもあるので、そこは反省しています」

 そう言ってまだ私を注目している総務課の面々にもう一度頭を下げてから部屋を後にした。

 それが些細な出来事だと思っていたのは、どうやら私の方だけだった。


 その日から、女子社員による私への攻撃が始まった。
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