一寸の喪女にも五分の愛嬌を
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人事課には私の他に、あと二人女子社員がいる。
一人は私の三つ年上の、今年三十歳になるとてもおとなしく地味な女性。
もう一人は既に子どもが大学生になる五十歳前のベテランお局様だ。
社員や就活学生の個人情報を扱うという部署柄、それなりにしっかりとした人が配属されている気はする。
あの昭和おやじな課長とて、仕事はしっかりしているし、意外にも口は固い。
だから人事課にいる時には気にならないのだが、ロッカールームにいる時や、他の部署に行くことがあれば、すぐに自分の置かれている状況を知ってしまう。
――ああ、面倒に巻き込まれてしまった。
ロッカールームに私が入った途端にピタリとおしゃべりが止まり、イヤな視線でこちらを睨んでくる女子社員たち。
出た途端に聞こえるように、「カンチガイのお局候補が出て行ったよ」なんてケタケタと笑い出す。
他の部署に行けば、話しかけても完全に無視されるし、廊下ですれ違って挨拶してもまるでいない人のように扱われる。
向こうが数人で歩いているのなら、通りすがりに「気持ち悪い」とか「鬱陶しいね」なんてこれまた聞こえよがしに噂をしてくる。
こんな子供じみた嫌がらせに社会人になってまで巻き込まれるとは予想外だった。