アナタの過ち
それから数ヶ月後。
「俺と付き合ってほしい」
車の中で言われたその言葉に、私は動揺を隠せなかった。
何も答えられない。
「ダメ?」
『ダメじゃ、ないけど…』
「けど?」
無理だよ、直哉と付き合うのは無理。
この人は、私のこと何も知らない。
どうせ捨てられる。
隠して付き合えるほど、私は大人じゃない。
『何が…何がいいの?私の』
1番困る質問だと思う。
でも素直な気持ちだった。
「お前は大人だと思う」
答えになってない言葉が返ってくる。
『私はまだまだ子供だよ』
「考え方とかさ。しっかりしてると思うんだよね」
『…』
昔からよく言われてきた言葉だけど、私は信じられない。
そして、記憶が蘇る。
あの日の。