アナタの過ち


お風呂から上がり、お茶を片手に携帯を開く。

新着メール1件。

「いくらですか?」

私が送ってから5分もしないうちに返信が来てる。


『2枚で1万ぐらい?』

そう送ると、携帯はすぐに音を立てた。

「給料日前でそんなに出せないです…」

『じゃあいいよ。来ないで』

「そんなぁ…3千円にして下さい…」

『じゃあ2枚で6千ね』

「2枚で5千円にして下さい…」

返事はしなかった。

そして立て続けに届くメール。

「煙草買いますから…」

この男は本当にこれが限界らしい。

『わかったよ。とりあえず早く来て』

「わかりました」

それから私はまた1時間近く待ち、深夜になって静かに家を出た。



< 80 / 147 >

この作品をシェア

pagetop