ねずみ小僧次郎吉 ~猿と猿回し~
毎日が空きっ腹の次郎吉は

『大人になったら・・』と、呪文の如くに呟くだけだ。

しかしながら、そんな夢のような呪文も、年を経るにつれ段々と萎んで(しぼんで)いった。

二十代半ばとなった今では、何の夢もなくー子どもの頃の夢を忘れているー日々を暮らしていた。
< 6 / 13 >

この作品をシェア

pagetop