モテ子☆モテ男の恋愛事情。
「ここにはよく来るの?」
「うん、でも隼人がいるときだけね。そうじゃないと隼人が怒るから」
櫻井がいるときだけなんて、どんだけ一緒にいたいんだよ、と心の中で突っ込みを入れて。
だけど、それを表情に出さないように言葉をどんどん繋げていく。
「そんなにバスケが好きなら、バスケ部に入ればいいのに」
「…うん、そうなんだけどね」
「櫻井も入ってくれればすごい戦力になると思うんだけど。いくら誘ってもはぐらかすんだよな、アイツ」
昼休みだけなんかじゃもったいない。
フルコートで、櫻井と一緒にバスケをしたいってずっと思っていた。
だけど、アイツは首を縦には振らないんだ。
櫻井の姿を目で追いながらヤツの話をしていたせいで。
彼女の表情がどんどん沈んでいくことに気がつかなかった。
「ここにいるのは同中の仲間? さっき、神崎さんと話してたヤツもけっこう上手いんだね」
優男、意外とやるじゃん。
なんて思いながら、ふと彼女に視線を向けると。
なぜか、俯いてスカートの上で両手をギュッと握り締めていた。
「…神崎、さん?」
「みんな、同中のバスケ部だった人たち。みんなただバスケが好きなだけなの」
「…どうかした?」
「ううん、なんでもない」