モテ子☆モテ男の恋愛事情。


俯いていた顔を上げたときの彼女の笑顔が偽物に見えて。

思わず眉間にシワを寄せてしまう。


そう、さっきの反対バージョン。

今ならわかる。

どうして俺の笑顔に、彼女があんなふうに険しい顔をしたのか。

何かを誤魔化したくて作った笑みは、整いすぎててなんだか気持ち悪いんだ。


彼女のその表情から何かを感じ取ろうとしても。

まだ、神崎ゆずのことを知らなすぎてわかるわけないんだ。


これが、櫻井だったらわかってやれるのだろうか。

もしかしたら、秋山だって、何かに気がつくかもしれない。


「速水くんも隼人たちとバスケしないの?」

「えっ…?」


彼女の視線は、もう俺には向いてなくて。

その横顔は、無表情なのかそれとも少し悲しい顔をしているのか。

そんなふうに見えてしまえば、気になって仕方がない。


だけど、目を逸らしたってことは。

これ以上、聞いて欲しくないのだと言ってるのかもしれない。




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