Another moonlight
受話器を戻して、アキラはユキの方を見た。
「こんなことずっと続いてんのか?」
「……うん。」
ユキは力なくうなずいた。
「家の方は?」
「仕事の帰りに後つけられたりとか…変な手紙とか写真とか、毎日…。」
「バカ!!なんかあったらすぐに言えって言っただろう!!」
アキラの声を聞き付けたミナが慌てて奥から駆け付けて、アキラの腕を引っ張った。
「アキ、ちょっと…。」
ミナはアキラをサロンの裏に連れて行くと、ここ数日のユキの周りで起こっていることを話した。
前の無言電話はサロンの予約をしようとしていた新規の客が、ためらって切ってしまっただけだから大丈夫だとユキは言っていたそうだ。
しかしその後からは、無言電話だけでなく“好きだ”とか“今日もかわいいね”などと言う電話が頻繁にかかってくるようになったらしい。
「なんとかならねぇもんかな…。」
「私が出る時は普通の予約とか問い合わせの電話なんだけど…。私もずっと電話番してるわけにもいかないし、本当のお客さんからの電話かも知れないから出ないわけにもいかないでしょ?」
電話の件はどうすることもできず、ミナも困っているのだろう。
ミナはカウンターの中でうつろな目をしているユキを気の毒そうに見ている。
「そうか…。」
「そういえば…昨日なんか“やっとあの男と別れたんだね”って言われたんだって。」
「あの男って?」
「アキのことみたい。最近会ってなかったんでしょ?」
「ああ…。確かに会ってなかったけど…。」
「こんなことずっと続いてんのか?」
「……うん。」
ユキは力なくうなずいた。
「家の方は?」
「仕事の帰りに後つけられたりとか…変な手紙とか写真とか、毎日…。」
「バカ!!なんかあったらすぐに言えって言っただろう!!」
アキラの声を聞き付けたミナが慌てて奥から駆け付けて、アキラの腕を引っ張った。
「アキ、ちょっと…。」
ミナはアキラをサロンの裏に連れて行くと、ここ数日のユキの周りで起こっていることを話した。
前の無言電話はサロンの予約をしようとしていた新規の客が、ためらって切ってしまっただけだから大丈夫だとユキは言っていたそうだ。
しかしその後からは、無言電話だけでなく“好きだ”とか“今日もかわいいね”などと言う電話が頻繁にかかってくるようになったらしい。
「なんとかならねぇもんかな…。」
「私が出る時は普通の予約とか問い合わせの電話なんだけど…。私もずっと電話番してるわけにもいかないし、本当のお客さんからの電話かも知れないから出ないわけにもいかないでしょ?」
電話の件はどうすることもできず、ミナも困っているのだろう。
ミナはカウンターの中でうつろな目をしているユキを気の毒そうに見ている。
「そうか…。」
「そういえば…昨日なんか“やっとあの男と別れたんだね”って言われたんだって。」
「あの男って?」
「アキのことみたい。最近会ってなかったんでしょ?」
「ああ…。確かに会ってなかったけど…。」