オオカミ御曹司に捕獲されました

洋服を買えば高いと言って引かれるし……。

『甘いもので攻めてみたらどうです？女の子は大抵スイーツが好きですわよ』

スイーツね。

それはいいかもしれないな。

梨花も好きそうな気がする。

「なるほど。参考になったよ。じゃあ、依頼の内容は後でメールするから宜しく」

ブチッとスマホを切ってポケットにしまう。

梨花がお菓子を食べてご機嫌の顔を想像して思わずクスッと笑う。

だが、その時何かが心に引っ掛かった。

俺……何か忘れてないか？

あっ、そう言えば、梨花の本、買ってなかったな。

すぐに会社の近くの本屋に行き、店員に梨花が読んでいた本のタイトルを伝える。

店員は本を見つけると、笑顔で俺に訊ねた。

「カバーおかけしますか？」

「ええ、お願いします」