オオカミ御曹司に捕獲されました
私の問いに杉本君は間を置かずに答える。

「でも……観覧車のてっぺんにいるんだよ。私達一番危なくない?」

言ったそばからピカッと稲妻が光って私は震え上がった。

その恐怖はお化け屋敷の比ではない。

「この観覧車より高いビルは周りに結構あるし、落ちるとしたらそっちだよ」

「そんな気休め言わないで!もし……私が雷で死んだら……杉本君、おばあちゃんの事お願いしてもいい?」

酷く取り乱してる私は、おばあちゃんの事を杉本君に託す。

「梨花が死んだら俺も死ぬと思うけど。でも、俺達は死なないよ」

私を安心させようとしているのか、杉本君は穏やかな声で告げる。

「何でそんなに落ち着いていられるの?」

いつ雷が落ちてもおかしくない状況なのに……。

私は杉本君の腕を強く掴む。

「俺が動揺してたら、梨花はもっと不安になるでしょう?心配しなくていい。この豪雨は長くは続かないよ」
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