オオカミ御曹司に捕獲されました
「ご飯もですの？でも、ビールでお腹が……」

杉本さんが困まった顔をして腹部に手を当てる。

確かにあんだけ飲めば、ご飯は入らないな。

「……よく考えて飲めよ」

呆れた口調で言えば、杉本さんはしゅんとなった。

「……すみません、江口課長」

「普段はちゃんと食べてるのか？」

杉本さんは身長は百六十五くらいあって女の子にしては高い方だが、凄く華奢で健康的とは言えない。

「パソコンやスマホに夢中になると、どうしても食事するのを忘れてしまいますの」

「食事を忘れるほどパソコンで何をやってるんだ？」

だからそんなに肌が白いのか。

「兄には内緒にしてますけど、最近、恋愛シュミレーションゲームにはまってますの。どうやってタイプの違う殿方を落とすかいろいろ考えると楽しくて。声優の方の声もとても素敵ですのよ。そこに江口課長にそ……あっ‼」

杉本さんが気まずそうに、慌てて口を押さえる。
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