オオカミ御曹司に捕獲されました
杉本さんの声がキッチンの方から聞こえてきて、慌てて飛び起きる。

「杉本さん?」

杉本さんを探しにキッチンへ向かうと、フライパンから黒い煙が上がっていた。

「換気扇!」

俺はそう叫んでキッチンの換気扇をつけ、コンロの火を止めると、コンロの前で咳き込む杉本さんの肩を抱く。

「大丈夫か?」

「……はい。す……すみません。昨夜ご迷惑をおかけしたので、朝食でも作ろうかと思ったのですけど……」

すすの付いた顔で杉本さんが俺に謝る。

その目は涙目だった。

「一体何を作ろうとしたんだ?」

杉本さんに問い質すと、彼女は申し訳なさそうにか細い声で答えた。

「……目玉焼きです」

目玉焼き?

チラリとフライパンに目をやれば、フライパンの上にあるのは目玉焼きではなく黒こげの卵そのもの。
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