オオカミ御曹司に捕獲されました
卵を割らずに目玉焼きね。

目玉焼きの作り方……知らなかったんだろうな。

彼女はある意味、いろんな意味で俺を驚かしてくれる。

杉本さんは真剣なんだろうが……。

焼き肉といい、目玉焼きといい……ホント世間知らずのお嬢様だな。

ククッと笑いが込み上げてきて、俺は額に手を当てた。

「江口課長?すみません。本当にすみません」

「もういい。怪我がないなら良かった。ほら、顔にすすがついてるぞ」

俺が杉本さんの顔についたすすを払うと、彼女は頬をピンクに染めた。

「……あ、ありがとうございます。私、顔を洗ってきますわ!」

慌てた様子でバスルームへ向かう杉本さんを見て、俺はハハッと声を上げて笑った。

……こんなバカ笑いしたのは何年振りだろう。
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