オオカミ御曹司に捕獲されました
一生懸命なのに何かとやらかしてくれる杉本さんが、急に可愛く思えてきた。

彼女を側に置いておくのは楽しいかもしれない。

黒こげになったフライパンを洗っていると、杉本さんが小走りで戻ってきた。

「江口課長……あの……いろいろとご迷惑をおかけしてすみません」

杉本さんがペコリと頭を下げる。

「朝食は俺が作るから、杉本さんはソファーに座っててくれないか?」

「私も手伝いますわ!」

「いや、本当に何もしなくていい」

その方が正直言って助かる。

俺は真顔で杉本さんの申し出を断ると、朝食の準備に取りかかった。

目玉焼きを作りながら考える。

俺ってこんなに世話好きだったか?

家庭的な女が好きだと思っていたんだがな。

それに、静かな日常が好きだったはず。

なのに、彼女がいる今が賑やかで楽しい。
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