オオカミ御曹司に捕獲されました
さては詩織の差し金か。

タクシーの運転手が車を発進させると、俺の膝の上に頭を乗せている五十嵐さんが俺の腕を掴んだ。

「学ちゃん……寒い」

「すぐに着くからもう少し我慢して」

五十嵐さんの頭を撫でながら優しく告げる。

タクシーが十五分後に自宅マンションの前に停車すると、俺は五十嵐さんを抱き抱え部屋に入り、自分の寝室へ連れていく。

「ここで寝てて」

寝室に入りベッドに五十嵐さんを寝かせる。

「寒い……寒い……」

五十嵐さんは布団の中に入ってもうわ言のように呟いて、震えていた。

「何か着替え持ってくるから」

五十嵐さんのメガネを外してサイドテーブルに置くと、寝室を出て五十嵐さん用の着替えと体温計と水を用意する。
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