オオカミ御曹司に捕獲されました
五十嵐さんの顔を見ながら声をかけると、彼女は自分の肩を抱いた。

「もしかして寒いの?」

「……うん」

ブルブル震え出す五十嵐さんを抱き上げ、店員にタクシーを呼んでもらい彼女をタクシーに乗せる。

「五十嵐さん、家どこ?」

「家?う~ん、あっち?」

目をしばたきながら五十嵐さんは右側を指差す。

……これはダメだな。

五十嵐さんのバッグを探るのはちょっと不味いし……。

俺のマンションに連れていくか。

ハーッと軽く溜め息を吐くと、タクシーの運転手に行き先を告げる。

「広尾までお願いします」

チラリとルームミラーに目をやれば、ブティックを出た辺りから黒のセダンに跡をつけられていて……。
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