オオカミ御曹司に捕獲されました
怖い顔で言われ、私は怯む。

そんな私達のやり取りを見ていた杉本君は、テーブルの上にトレーを置いた。

「ありがとう」

柔らかく微笑みながら杉本君が私の隣に座り、江口課長が絵里ちゃんの隣に座る。

江口課長はサラサラの黒髪にシルバーフレームのメガネをかけてるクールなイケメン。

普段にこりともしないが、うちの女子社員にはそれがツボらしくて結構人気がある。

冷たいイメージだけど、採用面接の最終試験に遅刻した時とか、社長に掛け合ってくれた事もあるし、見た目よりも優しくて頼りになる上司だ。

「五十嵐さん、顔色悪いけど大丈夫か?」

江口課長が私に目を向ける。

「大丈夫です」
< 79 / 343 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop