あの日ぼくらが信じた物
 そうか。みっちゃんはそんなことを気にしていたのか。でも実際はその逆で、大きいみっちゃんに甘えるのは、ぼくに取って何にも代え難い至福の時間だった。


「みっちゃん。ぼくはね、みっちゃんは誰よりも綺麗だと思ってる。

 性格だって仕草だって、みっちゃんより素敵な人はいない!

 みっちゃんはぼくの自慢の彼女なんだよ?」


「ありがとうあきらくん。私、そう言って貰えて嬉しい」


 途端に柔らかな表情になったみっちゃんはぼくにすり寄って来る。すると突然、足元に置いてあった例の石が光り出した。



  ピッカァァァアッ



 まさにそんな音がしそうな程に輝きを放って石は暫く光っていたけど、何の前触れもなく元の状態へと戻った。


「み、みっちゃん」


「あき……らく……ん」


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