SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし
『『——なにっ⁉︎』』
『『CKー1だと⁉︎』』
遅れて声が飛んでくる。
Blue dollにしか声が聞こえていないのかD.S.Pは無反応で、カイドウやコブたちだけの声や視線がこちらに向く。
『……本当だ……』
『……へえ、よくもまあ、』
『あれだけの劇薬をのんで……』
『……ふっ、死に損ないが……』
『ほんと、イヤになるぐらいしぶといよねえ』
驚きの後、挑発するような含み笑いをそれぞれ浮かべた。
『大人しく隠れていれば良いものを。わざわざ借りを返しに来たか』
『まあ、別にいいけど? コイツらじゃ全然物足りないし』
『次こそ確実に殺すまで……』
『……ヒヒッ、ヒヒッ……』
『……グフ、グフフフ……』
最後にカイドウとコブが不気味に笑うとピンと空気が張り詰める。
「——ガアッ!」
見計らったように白い男が天に向かって吠えあげた。
ぐにゃぐにゃと周りの景色が歪みだす……
『仕方ない、もう一度だけ遊んでやる』
『ただし、我々の土俵で……だがな』
「……っ、」
あたしは波打つ大地の揺れに耐える。
曇った空と土の色、コンクリートの色が混ざり、激しいめまいに目を閉じる……